ミスタッチを減らす

 

「音はちゃんとわかっているのに、指は違う音を弾いている…」

 

ミスタッチが多いと、自分の演奏に満足できませんね。

 

私もミスタッチにはさんざん苦しんできました。

 

やみくもに練習してもミスタッチが減らないこともあるんですよね。

 

今回は、ミスタッチを減らすためにできることをまとめてみました

 

【ピアノ練習】ミスタッチを減らすには

 

まず、ミスタッチには以下の2種類があります。

 

  • 決まった箇所で起こる
  • 決まった箇所ではなく突発的に起こる

    決まった箇所で起こる場合

    いつも同じ箇所でミスしてしまう…

     

    実は、これは練習で克服できるんです。

     

    仮に、曲中のある部分が苦手だと思っていたとしましょう。

     

    「また間違ってしまうかも」と思う緊張から身体が硬くなり、思うところに指が進まなくてミスタッチが起こってしまうことになるんです。

     

    苦手意識をなくすために、まずはその部分だけを切り取って練習します。

     

    曲の最初から最後まで弾く「通し練習」ばかりではなく、弾けないところだけを弾く「部分練習」をすることは大切なんです。

     

    そうすることで決まった箇所でしてしまうミスタッチは減っていきます。

     

    苦手意識がなくなれば、ミスタッチは必ず少なくなります。

     

    苦手とまではいかないけどミスタッチが起こるという場合は、その箇所を弾くときに特別集中してみます。

     

    ミスタッチがなくなるようにしっかりと目と耳で確認していきます。

     

    部分練習によって目と耳に覚えさせていくのです。

     

    ミスタッチしやすい箇所で目と耳を集中させてもミスするという場合は、見る力、聴く力、手を動かす力を補うことでミスタッチをなくしていくことができます。

     

    見る力

    まずミスタッチを起こしやすい部分の楽譜は完璧に暗譜(覚えて)しまいます。

     

    「ここはこう弾くんだよ」と手を見てあげて認識することでミスしなくなります。

     

    楽譜と手を交互に見るよりはるかにミスが減ります。

     

    楽譜を覚え、視線は手に集中させるのです。

     

    聴く力

    CDなどの模範演奏を聴いて耳を鍛えます。

     

    正確な演奏を耳で覚えるんです。

     

    それを続けることで聴く力がアップします。

     

    自分が失敗しやすいところを重点的に聴くことで成功のイメージを持たせることもできるのです。

     

    手を動かす力

    これまでミスタッチする箇所を弾きこむことをお伝えしました。

     

    もう一度、ゆっくりから始めて正しい手の位置を確認していくのです。

     

    練習を重ねると楽曲が自分の手や頭と一体化するようになってきます。

     

    正確な手の位置をインプットするので、勝手に手が正しく動くようになるんですね。

     

    少しゆっくりから初めて徐々にインテンポ(譜面通りの速度)にもっていきましょう。

     

    では、ここで言う「正確な手の位置」とは何でしょうか?

     

    指が常に鍵盤の真ん中に当たっているということです。

     

    指の中心が鍵盤の中心を捉えていたらミスタッチをしないのです。

     

    これは後ほど出てくる鍵盤感覚のお話にもつながります♪

     

    ここまでのまとめ

     

    決まった箇所でミスタッチが起こる場合の練習方法は以下の通りです。

    • ミスしてしまう箇所の苦手意識をなくすための部分練習を繰り返す
    • 部分練習で目と耳に覚えさせる
    • それでも駄目なら見る力、聴く力、手を動かす力を鍛えなおす

     

    決まった箇所ではなく突発的に起こる場合

    突発的に起こる場合は、予測不能なので練習で克服できない場合があります。

     

    苦手な箇所を重点的に練習しても、それ以外の箇所でミスする場合があるからです。

     

    ではどうすれば良いのでしょうか?

     

    対策は以下の通りです。

    • 姿勢を見直す
    • 重要な音にフォーカスする
    • 体幹を鍛える
    • 鍵盤感覚を身につける
    • ミスタッチを気にし過ぎない

    では一つずつ詳しく見ていきましょう!

     

    姿勢を見直す

    読者様はピアノの椅子に座る正しい姿勢がわかりますか?

     

    椅子の高さ、椅子の引き具合によっても姿勢は崩れてしまいます。

     

    正しい姿勢とは

    ポイントは3つあります。

    1. 床に足を付ける:足の裏で床を感じ、重心を低くするイメージ。下半身の安定は指を自由に動かすためには大切。
    2. 少し足を開き左右の膝は離す:足は少し開いて安定させる。膝をくっつけると肩や身体に力が入ってしまう。
    3. 深く腰掛けずに骨盤を立てる:背もたれに寄りかからず、重心はやや前に。骨盤を立てることで自然と背筋が伸びる。

      これら3つポイントをおさえれば正しい姿勢がとれます。

       

      スポーツ選手の場合だとフォームを変えたら成績が上がった等、しばしば耳にすることがありますよね。

       

      姿勢は重要だということがお分かりいただけるかと思います。

       

      正しい姿勢が分かれば、次は椅子の高さや位置を決めましょう。

       

      椅子の高さ

      鍵盤に手を置いたときに腕が水平になるのが椅子の正しい高さです。

       

      肘の高さ=鍵盤の位置になるように椅子の高さを調節します。

       

      手から肘のラインが床に平行になるようにしましょうね。

       

      椅子の位置

      椅子とピアノの距離のことです。

       

      音域の広いピアノを端から端まで弾けるような位置に座ることが大切です。

       

      でもピアノに近づきすぎると真正面がとても弾きにくくなります。

       

      横から見て、ピアノの鍵盤に手を置いたときに肘が胴体よりやや前にくる位置がベストです。

       

      姿見鏡を横に置いておくと自分でもチェックしやすいですね。

       

      重要な音にフォーカスする

      どれだけ練習を積んでも突発的なミスタッチをゼロにすることは難しいです。

       

      しかし、曲の中で絶対に外してはいけない音というのがあります。

       

      「曲全体を通してのノーミス」より、「肝心な部分だけはミスしない」ほうが簡単ですよね。

       

      ポイントを押さえて重点的に固めたほうが全体の出来栄えが良くなるはずです。

       

      1. 曲の最初の音
      2. 曲の一番最後
      3. 曲の一番盛り上がるところ

       

      この3箇所は絶対に間違えられないところです。

       

      曲の最初の音

      お客さんが最も耳を澄まして聴いているところですよね。

       

      音を出す前に、鍵盤に指を置いておくとミスすることはなくなります。

       

      深呼吸して演奏を始めることもおすすめです。

       

      曲の一番最後

      だれが聴いても曲の終わりは分かりやすいものです。

       

      特に和音の場合はミスがあると違和感が生まれるため聴いているほとんどの人に気付かれてしまいます。

       

      曲の最初と同じく緊張しがちですが、肩の力が入らないようにしながら重点的に練習しましょう。

       

      曲の一番盛り上がるところ

      誰もが知っているフレーズだった場合、ミスすると聴いている人全員に気付かれてしまいます。

       

      一番盛り上がる主題の部分はお客さんが聴き入っています。

       

      弾いていると自分の気持ちも乗ってくると思います。

       

      身体に無駄な力が入ってしまわないように、重点的に練習しましょう。

       

      体幹を鍛える

       

      楽器演奏は身体を動かす運動でもあるので、体幹を鍛えると思ったように打鍵できるようになります。

       

      これは野球に例えることができ、バットにボールを当てることとよく似ています。

       

      体の軸をしっかりさせることで頭でのイメージ通りに確実に指を置くことが出来るようになります。

       

      体幹トレーニングでおすすめなのがヨガです。

       

      ヨガは体幹を整えインナーマッスルつまり、身体の軸を鍛えることができます。

       

      私のピアノ仲間もヨガを取り入れている人は結構います。

       

      友人が「ヨガを始めてからミスタッチが減った」と言っていたことを思い出したので今回書き留めてみました。

       

      ヨガなら自宅でも簡単におこなえます。

       

      木のポーズ、トラのポーズなどが取り入れやすくて個人的にはおすすめです。

       

      ちなみに写真は木のポーズです♪

       

      鍵盤感覚を身につける

      鍵盤感覚は、「基準とする場所に指を置くと、あとは感覚で鍵盤の位置が分かる」というものです。

       

      弾くことで得た指の位置や運動の感覚情報を脳に蓄積させていくことで、鍵盤感覚は身につけていくことができます。

       

      つまり目を閉じた状態でピアノを弾く練習をするのです。

       

      視覚からの情報を遮断し、手の感覚に集中させます。

       

      演奏中、音が飛ぶところは必ず目を使っています。

       

      目を閉じて練習し、音の幅を感覚で覚えると確実に鍵盤を押さえられるようになりミスが減るわけです。

       

      これはパソコンでいうブラインドタッチと同じですね。

       

      つまり楽譜のみを見て練習することができるので、初見演奏にも強くなります。

       

      初見ですぐに演奏できることができると、曲の仕上がりまでにかかる時間が短縮されますよね。

       

      ミスタッチを気にし過ぎない

      ここまで練習を積んできたら、もうミスタッチを気にし過ぎることはやめましょう。

       

      たとえば、曲の途中で1回ミスをしてしまったとします。

       

      でも1回ミスしたからといって「気にしない」ことです。

       

      1回ミスをすると動揺し、次のミスの原因にもなります。

       

      ミスを気にしないようにすれば動揺することがなくなるので、二次的に起こるミスをなくすことができます。

       

      プロのピアニストでもミスタッチはします。

       

      でもその人たちはミスからの復帰がとてつもなく早いんだそうです。

       

      それはお客さんに気付かれないように訓練されているのです。

       

      フィギュアスケートにも同じことが言えます。

       

      演技に組み込まれているジャンプでミスをしてしまったとしても、すぐに立て直して自然な流れになるように次の技につなげますよね。

       

      それはピアノでも同じで、ミスをしてしまっても復帰することに全力を注ぎます。

       

      全体の流れを崩さないように弾き続けるのです。

       

      ミスタッチにこだわりすぎると良くない結果を招くことになりかねません。

       

      日々の練習でミスしないように努力することは忘れてはいけませんが、こだわりすぎるのはよくありませんね。

       

      ミスタッチはいかに気付かれないようにするかです。

       

      落ち着いてポーカーフェイスで弾ききる!

       

      練習という準備段階で努力した人は、自信を持って本番を迎えましょう。

       

      楽しんで弾くことに専念していいんです♪

       

      ミスタッチなんて恐れず楽しみましょう。

       

      ここまでいかがでしたか?

       

      ミスタッチをなくすのは本当に大変なことです。

       

      ピアノもスポーツにつながるものがあることがありましたね。

       

      もちろん、ミスタッチがないに越したことはありません。

       

      ミスタッチをなくすには、練習段階で妥協しないこと、あきらめないことが大切です。

       

      スポーツ選手も準備段階で決して妥協しません。

       

      あのイチローは、「自分にとって一番大切なことは、試合前に完璧な準備をすることだ」と選手時代に言っていました。

       

      言葉でいう事は簡単ですが、有言実行できるイチローさんは本当にすごいですよね。

       

      読者様も根気強く取り組んでみてくださいね。

       

      悩み抜いたその先に得られることがきっとあります。

       

      あとは楽しんで演奏することが大切です。

       

      読者様が楽しんで演奏していると、聴いている人には必ずそれが伝わります♪

       

      聴いている人の心に響く演奏となるのです。

       

       

       

      最後までお読みいただきありがとうございました。