《ピアノ漫画紹介》手塚治虫「虹のプレリュード」(ネタバレ注意)

 

読者様は、手塚治虫がピアノが得意だったことはご存じでしょうか?

 

手塚治虫といえば、あの「ブラック・ジャック」や「鉄腕アトム」で有名な漫画家ですよね。

 

実は、彼はプロ並みのピアノ演奏の腕前を持ち、音楽に関する漫画作品を多く残しています。

 

絵が描けるだけでなくピアノも上手だなんて、過去にピアノを挫折していた私にとっては、多彩な才能がうらやましい限りです!

 

今回は、ショパンを描いた手塚治虫の漫画「虹のプレリュード」を実際に読んでみたので、私が思うこの作品の魅力についてお伝えしたいと思います。

 

※一部漫画のネタバレを含む可能性がありますので、ご注意ください!

 

《ピアノ漫画紹介》「虹のプレリュード」のあらすじは?(ネタバレ注意)

引用:手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 

手塚治虫の漫画「虹のプレリュード」は、1975年に「少女コミック」に連載された短編集です。

 

表題になっている「虹のプレリュード」のほかにも、シェークスピアの名作をモチーフにした「ベニスの商人」といった、全部で5つの作品が収められています。

 

他の作品もとても読み応えがありますが、今回は音楽がテーマになっている「虹のプレリュード」に絞ってお話ししたいと思います!

 

この物語では、若い頃のショパンが、あの有名なピアノ曲「革命」エチュードを作曲するまでが描かれています。

 

ここからは、漫画「虹のプレリュード」の登場人物とあらすじについて紹介していきます!

 

主な登場人物

ルネ・コルドック(ルイズ・コルドック)
病気で亡くなった天才ピアニストの兄・ルネの夢を受け継ぐため、男装し兄になりすましてワルシャワ中央音楽院に入学する。
ルイズ自身も兄と同じく、抜群のピアノの才能を持つ。
ヨーゼフ
古道具屋で働くショパンの親友。
もともとワルシャワ中央音楽院でピアノを学んでいたが、祖国を救うために抵抗組織に加わったため、退学させられた。
ベートーヴェンのソナタを弾かせたら、ワルシャワで敵うものはいないと言われるほどのピアノの名手。
フレデリック・フランソワ・ショパン
若い頃のショパン。
ワルシャワ中央音楽院に通い、ピアノと作曲でそれぞれ一番の成績を修める。
ロシアの圧力から逃れるため、音楽院を卒業した後にルネをパリへ誘う。
イワノフ大尉
ロシア軍の兵士。
ロシアに抵抗するポーランド人を厳しく取り締まる。
ルネの家を訪れた際、そのたぐいまれなピアノの才能を見抜き、ルネをモスクワへと誘う。

 

物語のあらすじ

「虹のプレリュード」

ワルシャワ音楽院に入学したルネ・コルドックは、同じクラスでショパンと出会う。

ポーランドではロシア軍の圧力が強まってきており、音楽院にも兵士が乗り込んでくると、ルネのピンチをショパンの親友ヨーゼフが救う。

追われる身となったヨーゼフをルネはかくまい、兄の身代わりであるという秘密を打ち明ける。

しかし、ルネの家を訪ねてきたロシア軍のイワノフ大尉にヨーゼフが見つかってしまい、二人は離ればなれになってしまう。

一方、ショパンもルネが実は女性であることに気付き、ポーランドから逃れて一緒にパリに行こうと誘う。

その時、ワルシャワ中央通りで激しい銃声が鳴り響き、戦火の中ルネとヨーゼフは再会するのだが・・・。

 

 

《ピアノ漫画紹介》「虹のプレリュード」の感想(ネタバレ注意)

 

ここまで読んで、この漫画について興味が湧いてきましたか?

 

ここからは、「虹のプレリュード」を読んだ私なりの感想についてお話ししたいと思います♪

 

主人公がとにかくモテる!

読んだ最初の感想はこれでした(笑)

 

「虹のプレリュード」は少女漫画なので、恋愛がメインの軸として描かれています。

 

男装しているルイズがとにかくモテる!

 

ヨーゼフやショパン、そしてイワノフ大尉という周囲の男性陣全員が、ルイズにメロメロになってしまうんですね。

 

ルイズのピアノの才能が素晴らしいことはもちろんですが、「実は女だった!」というギャップにもやられてしまうのでしょう!

 

「ヨーゼフとショパン、二人とも好きだわ」という、ルイズの悩める乙女心が描かれています。

 

残念ながら、イワノフ大尉は敵のロシア軍なのでルイズは見向きもしません。

 

私個人としては、この男性3人の中だったら、ルイズのピンチを救ったヨーゼフを推したいです(笑)

 

ロシア軍の抑圧が残酷

ルイズのロマンスが描かれる一方、時代背景の描写は残酷なまでにリアルです。

 

特に、ロシア軍が捕まえたポーランド人の反逆者たちを銃殺するシーンは、残酷で目をそらしたくなります。

 

この時代は、ロシア軍の足音が聞こえると部屋の明かりを消さなければならなかったり、ロシア軍が勝手に部屋に乗り込んできたりと、常に気を張って生活していたのですね。

 

音楽院の先生や詩人が反逆の罪でロシア軍に連行されてしまう場面もあり、いつ自分が捕まって殺されてもおかしくないという緊張感が伝わってきます。

 

音楽は戦う理由になり得る

卒業のための演奏会中にポーランド蜂起の知らせが入り、思わずルイズがポーランド国歌をピアノで演奏するシーンがあります。

 

冒頭でも、ショパンが「マズルカこそ僕らの国の音楽だよ」と述べる場面があります。

 

ロシアの支配が強まる中、ポーランドの音楽がポーランド人の心のよりどころとして強い意味を持っていたことが伝わってきました。

 

その反対に、ロシア軍がルイズにロシア国歌やロシアの民謡であるトロイカを弾かせて、皆で歌うシーンもあります。

 

ロシア軍にとってはロシア音楽がよりどころなんですよね。

 

物語の中ではロシア国歌が演奏されていることに我慢できず、部屋に隠れていたヨーゼフは出てきてしまうのですが・・・。

 

それぞれの民族の音楽を対比させることで、まるでポーランド人とロシア人が音楽のために戦っているのかのように私は感じました。

 

現代の日本においては、音楽は趣味の領域という人がほとんどだと思いますが、時代によっては戦う理由にもなり得たのですね。

 

《ピアノ漫画紹介》ショパンの「革命」はどんな曲?

 

ショパンは、祖国ポーランドがロシアに占領されてしまったことに対する失意から、「革命」を書いたと言われています。

 

漫画「虹のプレリュード」の最後でも、ワルシャワ陥落の知らせを聞いたショパンが涙を流してうなだれながら、祖国に送るためにこの曲を作っている場面が描かれています。

 

芸術の道に進むためにパリへと行ったショパンですが、この作品の中では祖国を守るために残って戦わなかったことに自責の念を抱えているんですね。

 

もしも私が同じ状況に置かれたとしたら、やはり自分の親しい人たちのことが心配になると思います。

 

「革命」は、激しいピアノの旋律に私も思わず鳥肌が立ってしまうくらい、「怒り」と「悲しみ」がひしひしと伝わってくる曲です。

 

ぜひこちらの動画で「革命」のピアノ演奏をお聴きください!

 

 

《ピアノ漫画紹介》手塚治虫はピアノが得意だった?!

引用:手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 

手塚治虫のお母さんはもともと宝塚でピアノの先生をしていたそうで、手塚治虫自身もピアノはかなりの腕前だったと言われています。

 

誰もが知っているあの「鉄腕アトム」の主題曲も、作曲家との打ち合わせで手塚治虫が「こんなイメージで」とピアノを弾いてみせたそうです。

 

漫画だけでなくアニメーション作家としても名高い手塚治虫ですが、まさか主題曲まで手がけていたとは驚きですよね!

 

仕事部屋では、モーツァルトやベートーヴェン、ショパンといったクラシック音楽のレコードを大音量で流していたそうです。

 

クラシック音楽に精通していた手塚治虫は、今回紹介した「虹のプレリュード」のほかにも、作曲家をテーマにした作品を残しています。

 

クララ・シューマンを描いた「野ばらよいつ歌う」

「野ばらよいつ歌う」は、1960年−1961年に雑誌「少女サンデー」に掲載されました。

 

この漫画では、19世紀の女性ピアニストであるクララ・シューマンが主人公として描かれています。

 

クララ・シューマンの生き方と人間関係については、《ピアノ映画紹介》クララ・シューマンと愛の協奏曲(ネタバレ注意) で紹介しました。

 

こちらの記事では、クララの半生を描いた映画を取り上げ、クララがとてもステキな女性であることについて解説しています。

 

やはり手塚治虫も彼女を魅力的だと感じたからこそ、伝記漫画を描いたのでしょうね。

 

手塚治虫も夢中にさせてしまうクララ、さすがです!(笑)

 

演奏会デビューした9歳のクララが描かれていて、イラストがとても可愛らしいです♪

 

ベートーヴェンを描いた「ルードウィヒ・B」

引用:手塚治虫 TEZUKA OSAMU OFFICIAL

 

「ルードウィヒ・B」は、1987年−1989年に雑誌「コミック・トム」に掲載されました。

 

ストーリーが完結する前に手塚治虫が亡くなってしまったので、未完となっている作品です。

 

この作品は、ルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの半生を描いた伝記漫画です。

 

手塚治虫はモーツァルトの伝記映画「アマデウス」に影響を受け、ベートーヴェンの伝記漫画を描くことを決めたそうです。

 

クラシック音楽が手塚治虫の漫画にこんなに大きな影響を与えていたとは、私も全く知りませんでした!

 

手塚治虫のピアノ漫画はミュージカルや舞台にも!

引用:ミュージカル「虹のプレリュード」(主催:ネルケプランニング)

 

2014年には、手塚治虫の漫画「虹のプレリュード」を原作にしたミュージカルも公演されました!

 

主役のルネ(ルイズ)は、乃木坂46の生田絵梨花さんが演じています。

 

生田絵梨花さんはアイドル活動のかたわら、音楽大学のピアノ科に進学するほどのピアノの実力を持っているそうです。

 

このミュージカルの中でも、ショパンの「革命」を実際に演奏していたそうなので、ぜひ生で聴いてみたかったですね!

 

前章で紹介したベートーヴェンを描いた漫画「ルードウィヒ・B」も、同じく2014年に舞台化されています。

 

ベートーヴェン役はA.B.C-Zの橋本良亮さん、モーツァルト役はA.B.C-Zの河合郁人さんです。

 

こちらもアイドルが主演を務めるということで、漫画とはまた違った新たな魅力がありそうですね!

 

どちらの作品も、ミュージカルや舞台になるほど興味深い物語だと言えるでしょう♪

 

「虹のプレリュード」は「革命」誕生の背景を知れるピアノ漫画

 

「虹のプレリュード」という作品に興味を持っていただけたでしょうか?

 

この漫画を読むことで、ショパンの「革命」がどういう状況下で誕生したのか、曲の時代背景や作曲家の思いについて知ることができます

 

手塚治虫がピアノと深い関わりを持っていたことについても、新たな発見がありました!

 

この漫画の感想について、ぜひこの記事にコメントいただければと思います♪

 

また次回の更新も楽しみにしていてくださいね。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

NEXT>>>《ピアノドラマ紹介》101回目のプロポーズ(ネタバレ注意)

 

 


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